2014年07月19日

片田珠美(94)「自分たちのサッカー」できないのは当たり前 W杯では「他者の欲望」を読み取れ

片田珠美(94)「自分たちのサッカー」できないのは当たり前 W杯では「他者の欲望」を読み取れ
2014.7.5 07:00 [精神科女医のつぶやき]

W杯でコロンビアに完敗して1次リーグ敗退が決まり、ピッチを後にする本田圭佑選手(AP)

 サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で、われらが日本代表は残念な結果に終わった。

 わが家のテレビは地上デジタル放送に対応しておらず、一応映像は映るのだが、音声が出ないオンボロなので、ラジオを聞きながら試合を見た。しかも早起きして応援したのに、ふがいない結果に終わったための悔しさもあったせいだろうか。試合後に「自分たちのサッカーができなかった」と選手がコメントしているのを聞いて、「『自分たちのサッカー』をさせてくれるようなお人よしのチームなんてあるか!」と思わず叫んでしまった。

 こっちが「自分たちのサッカー」をやりたいと思っているのと同様に、向こうも「自分たちのサッカー」をやりたいはずで、試合というのは「自分たちのサッカー」同士のぶつかり合いである。その結果、点をたくさん取ったほうが勝つわけだから、できるだけ失点を防ぎながら、こっちがどうやって得点するかが基本だろう。

 だとすれば、どのチームも、勝つために相手に「自分たちのサッカー」をさせないようにするはずである。たとえば、速いパス回しでゴールをねらうチームに対しては、パスを通させないように邪魔するとか。相手チームの弱点を見抜いて、そこを徹底的に攻撃するのも、常套手段である。守備が弱いサイドを攻めるのが典型だが、それを「卑怯」などと非難するのは的はずれというもので、「自分たちのサッカー」なんて、そんなに簡単にさせてもらえるわけがない。
結局、勝つためには、相手チームが一体どんな「自分たちのサッカー」をやろうとしているのかを見抜くことが不可欠である。つまり、「他者の欲望」を察知して、それを満たさないようにしなければならない。そこで、何よりも必要になるのが「他者の欲望」を読み取る技術である。

 ということで、どうでしょう。私を次のW杯に向けて、メンタルトレーナーとして雇ってくださいませんでしょうか。敵の欲望を読み取るコツを、じっくりお教えしますので。日本代表は「メンタルのため」という理由で練習を急遽中止したほど、以前からメンタルの弱さが指摘されているみたいですしね。

 以前この連載で、サッカーの試合を精神分析的に解釈するとおもしろいので私を解説者として呼んでくれと呼びかけたのに、オファーゼロだったという悔しさを晴らすためにも、ぜひ私を次のW杯に連れて行って。



 世間を騒がせたニュースや、日常のふとした出来事にも表れる人の心の動きを、精神科医の片田珠美さんが鋭く分析します。片田さんは昭和36(1961)年、広島県生まれ。大阪大医学部卒、京都大大学院人間・環境学研究科博士課程修了。著書に『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『なぜ、「怒る」のをやめられないのか』(光文社新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)、『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)など。

【精神科女医のつぶやき】片田珠美(94)「自分たちのサッカー」できないのは当たり前 W杯では「他者の欲望」を読み取れ(2/2ページ) - MSN産経west


posted by エリコ at 11:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー日本代表
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